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【第1回】勝手に貯まる!知的(に)財産(を築く)経営のススメ

弁理士 古志 達也 さん

弁理士・FP技能士・知的財産検定1級(特許)・ソフトウェア開発技術者等

経済学部でデリバティブ等の金融工学を学び、在学中に宅建資格を取得。卒業後に一部上場のシステム会社にシステムエンジニアとして勤務し、簿記・会計の勉強にも励む。

特許事務所に転職後、翌年の2004年弁理士試験に1発合格する。

2005年に26歳で独立開業し、講師業も開始。多数の受験生の指導に携わる。

特許、実用新案、意匠、商標、不正競争、著作権等の知財全般について実務を行うと共に、外国出願も手がけ

る。当事者系審判・訴訟も扱い、単独代理で、審決取消訴訟に勝訴できる能力も持つ。

特許の専門分野は、ソフトウェア・ビジネスモデル、通信等。

20代前半から、将来の早期リタイアの計画を立て、経済、経営、会計、税制等にも通じている。

 ~経営のご相談・お仕事のご相談等は、info@be-ambitious.jpまで~

1、 年「1~1.5%」の利率の定期預金を見つけられますか?

【年「1~1.5%」の利率で、節税もできる、積立の貯蓄制度がある?(前編)】

 「あの制度」を使わずに、コツコツ定期預金で貯蓄するのは勿体ない? 

 銀行は、預金を受け入れた場合、国債で運用することが多いため、預金の金利は、国債の金利水準に大きく影響されます。

 日本円についていえば、日本円で発行されている日本国債が、市場で流通する(売買される)際の利回りの水準に影響されます。

 一般的な長期金利の指標である【日本国債・10年】の2015年1~3月の金利水準(年利回り)は、「0.2~0.5%」程度です(図1)。

 つまり、2015年3月現在においてキャンペーンでの特別金利であっても、「0.5%」を超える定期預金を見つけるのは、なかなか難しいです。

 しかも、【日本国債・10年】の金利(年利回り)は、ここ10年ほど、右肩下がり(金利低下傾向)で推移しています(図2)。

 一方、次回のコラムでご紹介する制度では、拠出した金額(掛金)に対し、毎年「1~1.5%」の利率が約束されています。

 具体的に示しますと、「100万円」を毎年「1.5%」の複利で運用すると、「13年」で「120万円」を超えます。

 一方、「100万円」を毎年「0.2%」の複利で運用すると、「120万円」を超えるのに、「92年」もかかります。

2、 積み立てるだけで節税にもなる?

 当然ながら、定期預金をいくら預けても、税金(所得税・住民税)は軽減されません。 

 しかし、次回のコラムでご紹介する制度では、拠出した金額(掛金)に応じて「所得控除」が得られます。

 例えば、年間の給与収入が「800万円」(事業所得だと「600万円」)位で所得控除が「100万円」位の方(課税所得「500万円」の方)が、「年間80万円」拠出した場合、所得税と住民税の合計で、「24万円」程度の節税効果が得られます(表1)。

 実に、拠出した金額(掛金)の「30%」もの節税になり、拠出した「80万円」が、いきなり1年後に「104万円」になっているのと同等の効果を得られます。

 所得が上がり、所得税の税率が高い人ほど、この節税効果も大きくなります(最大、「50%」ほどになります)。

3、 受け取る時にも税金が優遇される?

 定期預金の金利には、「利子所得」として、一律「20.315%」(所得税・復興特別所得税「15.315%」、地方税「5%」)の税率が課せられます。

 一方、次回のコラムでご紹介する制度では、受け取り方によって、「退職所得」、「公的年金等の雑所得」、「一時所得」として受け取ることができます。

 詳細は割愛致しますが、これらの所得は、税制上の優遇措置があり、「利子所得」よりも有利です。

 定期預金の場合、満期が来るごとに課税されて払い戻されます。

 例えば、1年満期で「1.0%」の利率の定期預金だと、毎年満期が来て課税されるため、税金を考慮した実質的な利回りは、年「0.8%」程度になってしまいます。

 一方、次回のコラムでご紹介する制度では、決まった満期が無く、今まで拠出してきた金額の累計額について、ずっと、毎年「1~1.5%」の利率が約束されています。

4、 課税の繰り延べ効果で、複利による利益を十分に享受できる?

 定期預金では、少しでも有利な金利を提供する金融機関を、満期ごとに探す必要があります。

 満期を迎えた定期預金のある金融機関から、新たに預ける金融機関への資金移動の手間もかかります。

 しかし、次回のコラムでご紹介する制度では、このような手間がかかりません。

5、 満期ごとに、新たな預金先を探す必要もない?

 特殊な定期預金を除いて、満期前に定期預金を解約すると、金利が普通預金と同等になってしまいます。 

 一方、次回のコラムでご紹介する制度では、今まで拠出してきた金額の累計額のうち、一定の額について、年利「1.5%」を負担すれば、貸付けを受けることができます。

 自己資金を担保にするようなものですので、貸付け実行までの期間も短く、手続きや審査も緩やかです。

6、 運転資金等が必要になった際に、一時的な引き出しもできる?

 また、次回のコラムでご紹介する制度では、国民年金のように、毎月の掛金を期限よりも早く納付すれば、年「1%」程度の減額金(割引)を得られるという前納制度を設けています。

7、 資金に余裕がある場合は、前納すると、年「1%」程度の減額金?

 さて、上記の内容をすべて理解したうえで、『次回のコラムでご紹介する制度』を既に十分活用されておられるという方は、ファイナンシャルIQの高い方です。

 次回は、制度のご紹介とともに、制度のデメリットや、利用の制限についてもご説明致します。 

※本コラムは、知財業界の方々に経済、経営、会計、税制等の情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたものではありません。

※本コラムの作成にあたり、筆者は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。

※本コラムに記載した筆者の予測、予想、意見や、税制等は、本コラムの作成日現在のものであり、今後予告なしに変更されることがあります。

日経平均株価・2~3ヶ月・簡易予想 【2015年3月22日時点での予想】

2015年4月~6月のどこかで、1ヶ月程度の期間をかけて、 日経平均株価の直近高値から、2000円~3000円程度の大きな下落が起こる可能性があります。十分、ご注意下さい。 ※最終的なご判断はご自身でお願い致します。

 弁理士は、職業柄、法律や技術に詳しい方が多いです。

 一方で、経済、経営、会計、税制等には、専門外でよく分からないという方が多いです。

 本コラムでは、知的(に)財産(を築く)ために、一般的に弁理士が苦手としているこれらの分野についての情報を提供致します。

 今回は、前後半に分けて、『定期預金』と、『ある制度』との比較をしていきます。

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