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意匠図面作成者はいずれ枯渇する!?


写真はテクニカルイラストレーション第一級技能士の柏木潤也さん。

図面作成会社、特許事務所を経て独立。十数年にわたって図面作成に携わってきた生粋のプロだ。

柏木さんは語る

「意匠図面作成の正しい技術を備えた人財が、次々と定年を迎える年齢になってきています。

もとより数が少ないうえに後継が育っていません。このままでは人財が枯渇します。」

需要に対して供給が追い付かない現実が迫りつつある。

意匠は立体状の形態がほとんどだ。

その場合、正投影図法により各図同一縮尺で作成した正面図、背面図、左側面図、右側面図、平面図及び底面図を一組(6面図)として、1㎜の狂いもなく正確に図面におこさなければならない。

柏木さん曰く、技術を習得し全ての状況に対応できるようになるまで約10年間の実務経験が必要とのこと。

独り立ちまでにかかる時間に加え、とてもニッチな職業だけに、図面作成で食べていこうという若者がほとんどいないそうだ。

また、専門的な学校もなく、機会に触れることすら難しい。

かねてより意匠図面作成者を抱えている事務所以外は、安定して外注することすら難しくなるかもしれない。

今、特許業界では特許が頭打ちになってきた感がある。

かたや意匠については、まだまだ積極的に活用できる余地があるように思うが、専門外ということで、これまで特許事務所が意識的に避けてきたところはないだろうか。

意匠図面作成者が一部の範囲でしか存立出来なかったことと、密接なつながりがあるように思う。

実際、いくつかの特許事務所が意匠案件を大量受注している事実がある。

「抱えているクライアントのため」だけに理由を求めるのは無理があるだろう。

それだけの能力と提案できる力を兼ね備えているからこそ仕事が増えるのだ。

そんななか、平成27年5月13日にハーグ協定のジュネーブ改正協定が発効された。

つまり意匠の国際出願を活用する素地が整ったわけだ。

お隣の中国では日本と比べて20倍以上の意匠出願件数を誇る。

意匠におけるチャンスは広がっているように見えるが、だとしたら意匠図面作成者の枯渇は大問題だ。

今とこれからについて何が必要で何をすべきなのか。

真剣に考えてみる時期にきているのかもしれない。

パテナビ

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